突然の電話

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それからも、しばらく彼の母親からの電話が続いたけれど、知らないものは知らないとしか言えないので、同じ言葉を繰り返した。 そうしているうちに、いつしかその電話も無くなった。 大阪に戻った私は、あの東京へ行くことを勧めてくれたママのいるスナックで働いていた。 あの頃からの常連さんもまだ来店していて、私は楽しく大阪での生活を始めた。 ただ、アッキーが行方不明だと言うことだけが、私の不安材料だった。 それでも、私が心配している様にアッキーが私の前に現れる事もなくそれから数年が過ぎていった。 私には新しい彼も出来て、いつしか私の記憶からアッキーの存在が消えていった。
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