暗がりの暁

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「やーっと来た。おせーよ」 やたら重厚な幹部室の扉を開けた途端、 リッヒーの呆れるような声が飛んでくる。 そんな声は華麗にスルーして 辺りをぐるっと見回すが、 リッヒー以外にはガード数名しか見当たらない。 ミハは? と僕が聞く前に、リッヒーが ミハイロなら迎えに行ってる、と僕の求めた回答をくれた。 こういうとこはさすがだ。 「ねぇ、本当にパートナーっているの?」 手近なソファに腰を下ろして誰ともなしに問いかけてみる。 「俺だって嫌だよ、でもしゃーねぇだろ規則破りは厳禁だ。 むしろお前は今まで免除されてたのが奇跡みたいなもんじゃねーか。贅沢言うなよ」 確かに、僕はここにもう長いこといるけど 今回が初めてのパートナーだ。 だからこそ思う、なんで今更と。 「お、きたぜ」 扉の向こうから足音が2つ。 1つはミハ、もう1つには聞き覚えがない。 ろくに組織の規律を守ろうとしない僕につけられるパートナーだ。 きっと強くて怖い感じの人だろう。 しかし、扉の向こうにいたのはそんな僕の予想を覆す人物だった。
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