氷怨の雪解け

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前を歩く三人は、皆登山サークルのメンバーであたし一人が部外者だ。 一応テニスはやってるけれど、テニスと登山じゃ使う筋肉だって違うし慣れもあるはずで、普段から山登りをしているメンバーと互角に渡り合えと言う方が無茶だろう。 「まだ半分って……これ登り切ったら、今度は同じ距離下るんだよね? キツイなぁ……」 はぁ、とぼやきながら足に力を込め先へと進むあたしを面白そうに見下ろしながら、徹は 「下りのときは楽だよ。足に疲労溜まりやすいけどな。明日明後日は筋肉痛で動けなくなるんじゃないのか?」 とからかうような言葉だけをかけてまた前を向いてしまった。 「憂鬱になること言わないでっての」 呻くように文句を言いながらそれでも足を休めず歩くあたしへ、先頭を歩いていた友志(ともゆき)が足を止めて 「亜莉子、もう少し進んだら休憩にするか?」 と、気遣うような言葉をかけてきてくれた。 「うん、そうしてもらえるとすっごく有難いかな」
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