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「ごめんね、亜莉子なら大丈夫かなって思ってさ。普段から運動してるし。毎朝ランニングも続けてるんでしょ? 体力あるじゃん」
わざと不貞腐れたような態度をするあたしに、明るい声でそう話しかけてきたのは真子だ。
ボーイッシュな見た目で、人見知りすることなく誰とでもすぐに打ち解ける性格であるせいか、男女を問わず人気がある。
月に一度くらいのペースで告白をされたりしているという噂があるけれど、真子本人は恋人を作る予定はまだまだないらしく、自分のやりたいことを優先していたいのだと常に語ったりしている。
「体力はまぁ、そこそこ自信あるよ。でもさ、やっぱりランニングやテニスと雪山登山は別だよ。ほんっとにもう足パンパンで……」
喋るのもキツくなってきている中で、必死に会話を交わしながら、あたしは徹のすぐ側まで追いつくことに成功する。
「こういうとこってさ、休憩所みたいなの無いの? 富士山とかだとあったりするじゃん」
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