氷怨の雪解け

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「どうしたの?」 何だろうと思いながら友志が指差す先を見ると、登山道の両脇にいくつもの小さな雪だるまが並べられていることがわかった。 本当に小さな、二十センチ程度の雪だるまの列は、自分たちの目指している鳥居の方まで続いている。 「子供連れでも登りに来てたのか?」 不思議そうに雪だるまへ近づきながら、徹が呟く。 「見た感じ、小学校低学年くらいの子が作ったように思えるけど。最近何かイベントがあったのかもしれないね」 「イベントねぇ……。こんな場所で子供のイベントなんて、危なくて許可されないような気もするけどな。まぁ、何でも良いけどよ」 言葉の内容通りどうでも良さげに言って、徹は足元にある雪だるまの一つを蹴り飛ばした。 蹴られた雪だるまは首が取れながら空中を舞い、そのまま木々の奥へと消えていく。 「あーあ。かわいそ」 それを見送った真子も、雪だるまを手に取り適当に眺め、すぐにポイと捨ててしまう。
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