板挟みチョコ

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修也、いや、彼らの第2ラウンドは、もちろん2月14日である。思春期で、素直に気持ちを伝えられない彼らの戦いが――始まる。 当日。朝読書前のフリータイム。修也は、陽樹の応援を受けつつ、美鈴に手紙、もといラブレターを渡すことに成功した。とは言っても、靴箱の上履きの中に手紙を綺麗に折りたたんで入れただけである。内容は、「美鈴さんへ。放課後、スズシオ公園に来てください。 修也より」と、簡潔にまとめあげられたものだった。放課後でなく学校で渡す案が修也から出たが、怒られたら内申に響くと、陽樹に諭されたため、学校では渡さないこととなった。また、美鈴の修也に対する気まずそうな反応を見る限り、手紙は見てもらえたと、修也と陽樹には感じられた。 帰りの会、何か先生が話している。しかし、真面目ではない生徒たちが当たり前のようにそれを無視し、雑談に花を咲かせている。陽樹も修也も例外じゃない。 「大丈夫かな、俺」 「心配するなって。あの文面をみて来ないやつなんているかよ」 「それも……ああ、そうだよな。なあ、陽樹」 「ん?」 修也は、改めて陽樹の目を見直して、いつの日かのようにポツリと言う。 「ここ数日、俺のためにありがとな」 「なんだよ。水臭いって言うのか? こういうの」 陽樹は、一瞬驚いた顔をしたが、すぐにいつもの笑った表情に戻って、それにつられた修也も再びいつの日かのように顔を紅潮させ、いつの日にはなかった笑いを追加させた。間違いなく修也は、この時間を過ごせたことが幸せであった。
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