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「あー、なんとなく分かる気がする。」
ただ、それならどうして悠人とは付き合っているのだろうか。こんなことなら電車の中で悠人に二人の馴れ初めとか聞いとけばよかった。朝の俺はそのことと告白のこととでぐちゃぐちゃになっていたので結局どっちも解決していないでいる。
視線を戻すと白河は又も意外そうな顔をしていた。
「どうしたんだ?」
「なんだかんだ、三上君も月島さんのこと見てるんだな・・・って。」
なぜか微妙な空気になる。それに、気のせいかもしれないがさっきからクラスメイトたちの視線がここの一点に集まってきているように感じる。俺はとっさに話題を変えることにした。
「それ、文化祭関係か?」
俺は白河が手に持っている紙切れを指して言った。
「・・・あっ、そうそうこれ。」
白河もわざとらしく応じ、持っていた書類を俺の机に広げた。そこには『木材、ダンボール、布、ペンキ・・・』とおそらく白河の字で書かれた箇条書きの文があった。
「字、綺麗だな。」
「でしょ。一応中学まで習字習ってたから。・・・じゃなくて、買い出しのリスト!」
ノリツッコミとは、ちょっと意外だ。
「まだ途中だから、もう少し増えると思うんだけど。放課後、買い出し付き合ってくれない?」
「喜んで!」
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