4人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前さ、恋してね?」
「あ、バレた?」
「そこは否定しろよ」
ケイ以外に、死者以外に、理解者が一人でもいたことは聖にとって唯一の救いだった。
「いや、聖がおかしいのは割にいつものことだからよ。別に気にも留めなかったけど・・・変じゃね?」
「はっはっは! 大丈夫大丈夫!」
「何一つ大丈夫じゃないことはわかった」
親友たる帶刀冬威は、とりわけ変人に寛容な人間であった。
臨死体験談も、話したのは彼にだけ。
「はぁん、地獄で恋をね」
友人のいつもの馬鹿話と聞き流したのか、それとも本当に信じてくれたのか、その真偽のほどはわからないが・・・。
「そりゃぁ、さぞ良い女だったんだろうな」
ニヤリと笑った冬威のドヤ顔は、いつまでも忘れない自信がある。
最初のコメントを投稿しよう!