7、カスミソウ;夢見心地

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7、カスミソウ;夢見心地

髪を切ってからなんかもっと外に出ていたい気分になったから勢いで男性用ファッション雑誌を買って少しお手頃なカフェへ入った。 その中から自分が着てもいいかなと思ったものをネットで即決注文。 世の男たちはこんなことにこんなお金かけてんのか。ある意味尊敬するわ。 「あれ? 今泉?」 振り向くとアイスコーヒー片手にスマホをいじる富田がいた。 「なんだよ! めっちゃイメチェンしてんじゃん!!」 嘲笑ってるというよりは、純粋にビックリしている……のか? 「……あぁ、うん。まぁ」 「前より全然いいよ。すっきりしてて! お前、もっさかったもんなぁ」 そんなこと思われていたのかっ!! 「ただ……服がなぁ……」 「なんだよ」 「お前今暇なの?」 「まぁ。色々するために今日はシフト入れてないからな」 「ふーん。じゃあさ、俺がお前の服選んでやろうか?」 「え?」 「お前よりはセンスいいし、今の雰囲気に合わせた服見繕ってやるよ。予算は?」 「え、あ。マジ?……3万以内かな」 「そんな払えるなら大丈夫だな」 「お前は用事ないのかよ」 「あーーうん。買い物は終わったし」 彼の手には家電量販店の袋がぶら下がっていた。 「ワイヤレスイヤホン。最新式のな」 富田は少女漫画のヒーローみたいに、にかっと笑った。
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