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〈二幕 美雪〉 第5話 再演
5-1
昔々、あるところにお母さんを亡くし、おばあさんと暮らす女の子がいました。
女の子の髪が結えるほど長くなったある日、遠くの町で暮らしていたお父さんが女の子を迎えにきました。新しいお母さんがやってきたので、新しい家で一緒に暮らそうというのです。女の子はおばあさんを好いていましたが、泣く泣くお別れしました。
継母は綺麗な人でしたが、物静かで、なかなか仲良くなれません。お父さんは仕事で帰ってこないので、女の子は毎日ひとりで遊んでいました。
良く晴れた日、家の中で遊ぶのに飽きた女の子は散歩に出掛けることにしました。継母は、女の子に決して森に入ってはいけません、森には恐ろしい狼や魔女が棲んでいるから、と厳しく言い付けました。
新しい町を歩くのは初めてで、女の子は弾む心地で歩きます。継母が言っていたような怖いことなんてありません。女の子はずんずん進みました。
*
『白』には、孤独で寂しく物悲しいイメージがつきまとう。
幼馴染から受け取る手紙はいつも白かった。
本来なら感情が殴り書かれ幾重にも塗り重ねられるはずの便箋は、しかし何の色にも染まっていない。
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