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「あれー、ひよりー? どこー?」
イルミネーションをより綺麗に演出する為に、校舎の明かりは職員室残して全て消された。そんな中でも、生徒はみんな思い思いの場所で過ごす為にグラウンドに出ていたり、校舎の中でベストスポットを探したり、と学内はとっても賑やか。
真っ暗な校舎の中で、あたしすっかり迷子になっていた。暗闇の中で心細くなった時、あっちの方から茉奈ちゃんの呼ぶ声がした。
「まなちゃーん、あたしここーー、」
声を上げた時、ガラッと脇の戸が開いて、腕を掴まれた。
「え!?」
「声出すな」
掴んだ腕と、その声は。あたしは中に引き込まれ、戸が閉まった。
「あれ? こっちからひよりの声がしたみたいだったんだけど」
廊下から茉奈ちゃんの声がする。
「うん、俺も聞いた」
「いたかー? ひよりちゃん」
若林君に、高橋先輩?
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