EpisodeⅩⅠ~ⅩⅩ

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EpisodeⅩⅠ~ⅩⅩ

 結局ダラダラ話してて、解散した時間はほぼ朝!!!オレはいつも通り学校へと向かい、教室へと入った。  わいわいと賑やかな雰囲気も、楽しそうな笑い声もオレには関係ないんだと窓の外を見たら用務員が欠伸してた。 「寝不足かよ」  くくっと小さく笑ったら前の席の奴がいきなり振り向いた。 な、なんだよ...。 「吉田、今用務員見て笑ったろ?」  なんだこいつ...不躾だな。 「あくびしてたから」  朝から高スキル〝人と話す〟を発動...声が小さい以外は、大丈夫なはずだ。 「ははっ、寝不足ってそれでか」  そう言って満足したのか体の向きをかえた。なんなんだよ!  よくわからないが、前の席のヤツはいわゆる人気者だ。分け隔てなく話すし正義の味方みたいにカッコイイと言われてる。  不正や悪さを好まないし見ているだけも嫌というめんどくさい性格だが、優しいし面白いらしい。  ちなみにオレの苗字も〝吉田〟でよく見る名前だがコイツも〝山田〟って随分とよく見かける苗字だ。 「はぁ...」  なんか朝から眩しい人種と話したお陰で、疲れた。けれどもちょっと良いこと思いついた!山田に頼んでみたらどうかな?  人脈あるしさ...優しいみたいだし。 「あのさ...」  話しかけたら、くるりと振り返った。 「なに?」  イケメンは滅びればいいな。うん。 話す姿さえキラキラしてるように見える。 「落し物があって、落とし主に渡したいんだよ...でも誰かわからないから...心当たりないかと」  不思議そうな顔で見てくるから、オレはポケットからMONを取り出して見せてみた。 「あっ!これ」  えっ!?お前かよ!明らかに知ってそうな顔してオレと手のひらを見るから、思わず赤面した。 「あっ、あの、落としたの山田?」  やべえ、手汗酷い...。若干声も震えてる。  サブなのか?コイツが?なんか、雰囲気違うけど...そんなもんなのか? そんな事考えてたら、へへへと笑ってオレの手のひらに置かれたコインを指さした。 「...うん、コレは兄貴ので、落としたって騒いでたんだよ...うわ、兄貴喜ぶと思う!サンキュ!」  マジかよ!!  てか、もしこれが嘘なら...オレ、すんなり騙されるよな。 「えっと、あの」  返してくれないの?と首を傾げられてオレはそのコインを強く握りしめた。 「お、お兄さんのなら、お兄さんにオレが拾ったって直接返したいんだ!これ結構価値ある人には価値があるから、本人に渡したい!」  めっちゃ必死になって言ったら、苦笑いで頬をかいて頷いてくれた。 「え?あーうん、わかった...兄貴に言っとく...明日の昼でいいか?」  学年上なのか?でも、ここで根掘り葉掘り聞くと逆に疑われそうだし... 「わかった...」 「兄貴に伝えとくわ」  この言葉にもう一度わかったと返した。  明日の昼サブに会える...ゲームで悟られなければオレだとはわからないよな?  ただコインを拾ったと渡せば...大丈夫だ。 そう、自分に言い聞かせて自宅へと戻った。  ログインして、サブを探したがどうやらまだ来ていないらしく様子は伺えなかったが、222の下の階層にそろそろ行きたい。  サブさえ良ければ誘ってみようと思ったが、ログインしていないなら仕方ない。  順序的には恐らくだが225でワープ登録するポータルがあるはずだから、そこまで行きたい。  PT組んでいてもそれぞれが強くなければ、150以上の階層は経験値が入らない仕組みだから、養殖と呼ばれる低レベル者のレベル上げには使えないのだ。  とりあえず回復薬と、毒消しを買って大量にストレージにぶっ込んだ。  そんな時だった。 「突発イベントのお知らせ」  の音声が流れた。
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