9人が本棚に入れています
本棚に追加
Akihito_side
一番小さくしたアラーム音で目を覚ます
起き上がると、ぼーっとした頭で直ぐに音を切った
「………起き………てない?」
部屋の外に意識を集中させて音がしないのを確認する
「大丈夫…か」
声に出してしまうのはもう癖
部屋の空気を掻き切ることができるから。
………って言ってもめっちゃ虚しいけど
ひとつ伸びをしてベットサイドにある時計を手に取る
時刻は午前五時。
「制服…着替えよ……」
立ち上がった瞬間、隣の部屋のドアが開く音がして息を潜めた。
「お父さんー!」
嬉しそうな声が聞こえた
温もりが残るベットから名残惜しく腰を上げると、
鞄を持って静かに玄関へと向かった
「あぁ、忘れてた」
リビングに戻って、チラシを取り、裏に
-部活に行ってきます-
と走り書きをし、冷蔵庫に貼る
一応タオル…持って行くか
金曜は寒そうだったし……
タオルを二枚ほど手に取り、玄関に行って靴を履くと、携帯が鳴った
……慎二からだ。
-今日空いてる
酒臭くていいなら来て-
グループの方か。
はるの家の後は、慎二の家に行くか。
頭ん中で予定を立てながら
怖くても言ったその言葉
「………………いってきます」
(帰ってこない朝の挨拶)
最初のコメントを投稿しよう!