第一章 日常

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Haruki_side バシャ……… 耳元から聞こえる水の音と冷たさで目がさめる 「ケホッ……ケホッケホッ……」 「何のんきに寝てるん」 「…っ…ケホッ…ごめ……なさ…」 「昨日も途中で寝やがって… 親より先に寝んじゃねえよ!!」 昨日……バットを持ってきたところまで覚えてるんだけどな… 昨日のことがわからなくて考えていると、 息苦しさと冷たさ。 「ゲホッ…っ…やめ…」 浴槽内の冷えた水に頭をつけられる しばらくすると、飽きたのか床に投げ落とされる 必死で息を吸う だけど…頭で理解するには足りなさ過ぎる酸素。 ドアを超えた場所にある時計に目を向ける 午前…五時十分…… 秋くん…来てくれるかな……… 僕の所になんか来てくれないかな? 不安になって涙が出てくる。 「おい、お前何一息着いてんだよ」 殴られて…首を絞められている? 冷たさで感覚が麻痺してわからない。 軽くもがいたら手を離した 「抵抗してるつもりか?お前が、俺に」 何度も頬を殴る ピンポーン 「(チッ)……。またあいつか」 そう言うとお腹に蹴りを入れて玄関に行った 居なくなったその時胃の中の気持ち悪い物を吐いた しばらくすると戻って来て肩を掴んで物置まで引きずられる まぁ、そこが僕の部屋だから。 無理やり服を着させられ、玄関まで引きずられる。 ドアを開けると秋くんが居た 父さんと秋くんが話してる声は耳から抜けて行った。 強く押されてからドアが閉まる音が聞こえる。 「俺の使うか?」 そう言うとタオルを頭の上に乗せてくれた。 「秋くん……ごめんね………」 「全然いいよ」 ごめんねって気持ちと、来てくれて嬉しい気持ち。 申し訳ない気持ちってのが色々混じって悲しくなった。 「はる…?」 しゃがんで目線を合わせてくる。 そういや、連休だったから会うの久しぶり。 そう思うと急に寂しさが込み上げてくる。 「おはよ…」 「おはよう。はる」 いつもすぐ返してくれる朝の挨拶。 親は返してくれないなんて言う変な感情が奥底から湧いてくる。 無性に泣きたくなってふいっと顔を逸らし、エレベーターへ歩いて行った。 (僕の 精一杯の感情表現です)
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