166 夏の台風
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166 夏の台風

「またですか?関係者以外ここは立ち入り禁止なのに」 「だって。そうでもしいなと、姫野君に逢えないじゃないの」 慶王大学の一室で、そう萩原に言った白鳥可憐は、そばにあった椅子に座った。 「奴らは今日も来ませんよ……」 「じゃあ、いつなら来るのよ?」 妹の凛香はそういって萩原に詰め寄った。 「ツインズはめったに来ません!忙しんですよ」 「バイトなの?じゃあ、バイト先を教えてよ」 姉の可憐はそういってスマホを取りだした。 「バイトじゃありませんよ。それに教えるわけないじゃないですか……」 毎日のようにやってくる白鳥姉妹に萩原はすっかり参っていた。 「そんなに嫌なら教えてくれてもいいじゃないの」 「そんな事をしたら、ツインズになんて言われるか……」 サークル活動関係の事で手一杯だった萩原は、これに疲れて椅子に座った。 「悪いけど。逢わせてくれるまで私達毎日来るわよ」 「ツインズに何の用があるんですか?」 「……別に。ちょっとこの前の御礼をしたいだけよ……ねえ、姉さん」 「そ、そうよ。悪いかしら」 「そうですか?じゃあ俺の方から伝言して置きますよ。じゃ、そういうことで」
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