そして

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 二人きり。  私達以外誰もいない、誰も来るはずのない雪山の中の一軒家。  そんなシチュエーションが、私を大胆にさせた。  私はそっと立ち上がると、何かに導かれるように彼の元へと向かった。  一歩進むたびに、床が大きな音を立てる。  その音に気付き、俯き加減の彼が顔をあげ、そして大きく眼を見開いた。  私は彼の目の前で一度動きを止め、それからその場でしゃがみ込みながら、彼の肩に両腕を巻き付けた……  そして……  私達は、ひとつになった。  
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