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私の両親は、幼少期を孤児院で過ごし、そして結婚した。
やがて兄と私が生まれた。
両親は元々登山が大好きで、その影響で兄も私も登山をするようになった。
そして去年。
インフルエンザに罹った私を残して、両親と兄は雪山登山に向かった。
それがこの山。
「やーいやーい、お留守番~」
「うっさいわねえ、あんたなんか雪に埋もれて死んじゃえ」
それが、兄との最後の会話になった。
両親と兄は、本当に雪に埋もれてしまった。
雪崩に巻き込まれて、春まで発見されることはなかった。
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