ひだまりロボット

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「安岡和馬」 「おい、なんで呼び捨てしてんだ! ロボットの分際で生意気だな」 「安岡和馬という名前でインプットした」 「だったら『和馬様』でインプットし直せ」 「『様』をつけて呼ぶに値しないと判断。よって『和馬』に訂正する」 「~~なんだよ、このポンコツ!」 ヒナタと真剣にやり合っている和馬を生温かい眼差しで見る。 (和馬ってヒナタがロボットだって本気で信じているのね) 昔から純粋というか素直というか、馬鹿みたいに真っ直ぐなところが和馬らしい。 「ヒナタ、今日はちょっと早目に学校に行くから」 「そうか。──じゃあこれ、弁当」 「うん、いつもありがとう」 「気をつけて行くように」 「はい、行って来ます」 「行ってらっしゃい」 いつものやり取りだけれど改めて『行ってきます』の挨拶が出来るのは嬉しかった。
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