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「はい──……っ?!」
開いた玄関ドアの向こう側には見たことのない男の人が立っていた。とても背の高い若い男の人だった。しかも──
(な、何…?! このめちゃくちゃなイケメンは!)
この辺では到底お目にかかれないような風貌の男の人にドキマギしながらもなんとか言葉を発した。
「あ…あの……どちらさま、でしょう?」
「──声紋確認」
「……は? って、えぇぇぇっ?!」
いきなり訳の解らない言葉をボソッと呟いたかと思ったらその男の人は突然私を抱きかかえた。
「ちょ、ちょっと! な、ななななんですか──」
「初めまして、小春。俺はヒナタ」
「?!!!」
これが私、野々宮小春とヒナタの最初の出逢いだった。
──いや、正確には最初ではなかったけれど、それが分かるのはもっとずっと後のことだった。
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