ひだまりロボット

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学校生活の中で一番好きな時間が始まったことを報せるチャイムが鳴る。 「小春、お弁当食べよう」 「うん!」 親友のあかりといつもの様に中庭へと移動するため教室から出て少し行った処で担任の大川先生に呼ばれた。 「野々宮、丁度良かった。少し職員室まで来てくれないか」 「え、今からですか?」 「ちょっと確認したい事があってだな、すぐに終わるから」 「……はぁ」 「じゃああたし、先にいつもの処に行ってるから」 「あ、うん…」 そういってあかりは手を振りながら行ってしまった。 (何よ~~お昼休み、短くなっちゃう) 貴重な昼休みが削られるという事は私にとってはかなり不快な事態だった。 職員室に連れて行かれた私は大川先生から一枚の紙を見せられた。 「野々宮、この人を知っているか?」 先生から手渡された紙には【条林大学心理科学部臨床心理学科 准教授 佐野徹矢】と書かれていた。 「……いえ、知りません」 「そうなのか? ──いや実は先ほど事務の方から連絡を受けたんだが、この人名義で野々宮の卒業までの授業料と教材代、それと学校への寄付金としてかなりの金額が口座に振り込まれていたそうなんだ」 「え?!」 「野々宮は先日お父さんを亡くされたじゃないか。だからそれ関係の人かと思ったんだが」 「あっ…! 確かに条林大学は父が研究のために通っていた大学の名前です」 「そうか」 「でも……佐野さんという方は私──」 「知らない、という訳か。じゃあ大学側で何かお父さんとの間で取り決めがあったのかな」 「……」 私の知らないところで色んな事が動いている──
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