第3章 地獄労働組合

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赤鬼 「なんや むつかしい話やなあ。」 緑鬼 「ようは一匹の鬼が閻魔大王に意見しても通らない。鬼たちみんなで交渉しましょうということです。」 黒鬼 「そんならわかる。」 緑鬼 「では、地獄労働組合 『等活地獄支部』にぜひはいってください!」 というわけで 赤鬼、黒鬼ともに地獄労働組合の組合員となった。 そうこうしているうちに、ほかの地獄でも鬼の労働組合は結成されていき、 ほぼ、すべてといっていい地獄に労働組合はできることになった。 そしてついに地獄の労働組合の全国中央組織(ナショナルセンター)である、 全地獄労働組合総連合(ぜんじごくろうどうくみあいそうれんごう) 略称:全地連(ぜんじれん)が誕生した。 全地連(ぜんじれん)は閻魔ほか地獄の十王に対し、労働状況改善の要求を開始した。 会議は閻魔大王の王宮兼裁判所 で開かれた。 全地連会長 百目鬼(ひゃくめき) 「全地連会長 百目鬼(ひゃくめき)であります。 閻魔大王様。いまだに鬼たちは過剰労働にあえいでおります。これは地獄の慢性的な労働力の不足からきていると思います。是非ともここは、大幅に鬼の大量増量を行っていただきたく思います。」 閻魔 「鬼を増量する。うむ。わしもそうしたい。しかし、鬼というものはそう簡単には増やせんのじゃ。」 等活地獄支部長 緑鬼 「なぜでしょうか?」 閻魔 「オマエたちは鬼というものがどういうものかわかっておらん。じゃあ増やしましょうといってポンポンでてくるようなものではないのじゃ。鬼というものの正体を説明しよう。」
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