そんでまた等活地獄

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赤鬼 「ストライキってことはなに?わしら等活地獄の鬼も働かないってこと?」 黒鬼 「そうだ。働いちゃいかん。勝手に働くのはスト破りといって罰則がある。」 赤鬼 「なるほど。」 というわけで、地獄で大規模なゼネラルストライキが施行された。 いつも火を噴いていた火の山は沈黙し、大熱地獄である八大地獄は、普通に涼しくなった。 血の池はただのプールと化し亡者たちが浮き輪やボートをもってきて遊びだした。 剣(つるぎ)の山にいた美女とお稚児(いまでいう美少年)も亡者を誘惑しなくなり、 一部の山上り(やまのぼり)が好きな亡者たちが暇つぶしに鉄下駄をはいてハイキングコースにしている以外、 普通の亡者は山にはのぼらなくなった。 その他の亡者も床に寝そべったりしてだいたいひまにしていた。 鬼もそうである。やることがないのでひまそうにしていた。
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