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終章 鬼よりこわい
さて、泰山王(たいざんおう)は鬼が恐れる人物をさっそく地獄につれてきた。
赤鬼
「あれ。閻魔大王以下、地獄の十王ならびに司命と司録。地獄のえらいさん集まってきたぞ。なにがあるんだ?」
閻魔
「お~い鬼ども。ちゃんと働けい。今日はオマエたちのもっとも苦手な人物たちを連れてきている!。」
黒鬼
「あ、あれは!わしらがもっとも怖いひとやんか!!」
そこには鬼退治で有名な桃太郎と、犬猿キジの三匹がやってきていたのだった。
桃太郎
「おい、鬼たち!勝手に仕事を休むんじゃない!閻魔大王にさからうな!この私がやってきたからにはオマエたちの好きにはさせないぞ!」
全ての鬼たちがふるえあがった。
鬼たちは昔、 桃太郎に退治されているので無意識にこわいのだ。それこそ鬼にDNAがあったのならDNAに記録されているのであろう。
赤鬼
「あかん、エライの連れてきよったで!。桃太郎とその一味やんか。あれ、鬼やったら絶対勝たれへんやつやん。」
そのとき
一部のひまな亡者たちが自然発生的に歌を歌いだした。
童謡 桃太郎である。
ももたろうさん 桃太郎さん。
おこしにつけた きび団子
ひとつわたしにくださいな
あげましょうあげましょう
これから鬼を征伐についていくならあげましょう。
歌はやがて地獄中の亡者たちが歌いだし大合唱になった。
鬼たちは覚悟した。
「もうだめだ!桃太郎が相手ではストなんかやってられん!降参します!」
というわけで地獄初のゼネラルストライキは中止となり、地獄はまた再開された。
地獄の鬼たちはまえ以上にいそがしくなり、地獄はホントに鬼たちの労働地獄となっていたが、
そうこうしてるうちに第2次大戦も広島と長崎に原爆が落とされ、終戦となった。
それでも大量にいる亡者たちを減らす意味で神たちは、戦後2回のベビーブームをおこし、地獄の亡者たちを割と早く現世に生まれ変われさせて対応することに決定。
今はやっと普通の数の亡者となっているそうな。
完
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