第2章 (場所)ここは地獄の等活(とうかつ)地獄

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ここ、等活(とうかつ)地獄では鬼たちがひたすらに大量の亡者をつかまえては引き裂き、手にした金棒で殴り殺していた。 ・赤鬼 「おいおい、いったい何人地獄にやってくんねん!いくらなんでもおおすぎやろ!」 横で真っ黒な鬼が亡者の頭を金棒で砕きながら言った。 ・黒鬼 「なんでも、今人間界では世界戦争がはじまったらしいで。」 ・赤鬼 「え、20年前にもあったよな。そのときはたいしたことなかったで。」 ・黒鬼 「あの時は主に戦場がヨーロッパやったからな。亡者の大半が西洋の地獄、ヘルに行きよった。ほら、わしらのいてる地獄は仏教版の地獄やから。 第一次世界大戦では全部で1500万人死んだけど、アジアではほとんど死んどらへんからな。日本人なんか300人ちょっと 今度はヨーロッパだけでなくアジア人が大量に死んどる。 とくに、日本人がもう大量にやってきててんてこまいやで。」 ・赤鬼 「ほーう。くわしいのう」 (なぜか、この二匹の鬼は関西弁である。地獄に関西地方があるのか?という疑問が沸くがそういう仕様になっている。)
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