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牛頭(ごず)と赤鬼は門の前にたっている門番の鬼に、通行手形を渡して宮殿兼裁判所にはいっていった。
まっている亡者たちは寝ている者、暇そうにしているやつ、うたをうたっているやつ、様々であった。
牛頭(ごず)
「うーん、これだけ多いと裁判するほうも大変だろうな。」
さて、中に入るとちょうど、閻魔は裁判の真っ最中であった。
中央にものすごく迫力のある大男が貫録たっぷりにすわっていた。
閻魔である。
とにかく目力 (めじから)がすごい。
閻魔大王の眼は、
太陽のように眩しく迫力があった。
さらに声も
その声は、幾千もの雷が
鳴り響くような恐ろしい声だ。
亡者たちはひとりひとり、閻魔の前に鬼によってつれていかれる。
たいがいの死者は、
閻魔大王に会うなり
その恐ろしい姿に、気を失う。しかし鬼が水をかけたり、顔を叩いたりして
正気にもどすのだ。
閻魔大王は、閻魔帳を開き
幾千ものカミナリが同時に鳴るような
恐ろしい声で死者の罪を、読み上げていった。
閻魔大王の両脇に居るのが「人頭杖」と呼ばれる生首。
赤い首は悪事を見通し、白い首は善心を見極める。また、悪事が多いと赤い首は火を吐いて怒っていた。
さらに閻魔には「司命」(しみょう)という補佐官がいる。彼は死者の行いを徹底的に明らかにするのが主な役目だ。
そして
罪を記録するのが任務の「司録」(しろく)という、記録係もいる。
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