第2章 (場所)ここは地獄の等活(とうかつ)地獄

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牛頭(ごず)と赤鬼は門の前にたっている門番の鬼に、通行手形を渡して宮殿兼裁判所にはいっていった。 まっている亡者たちは寝ている者、暇そうにしているやつ、うたをうたっているやつ、様々であった。 牛頭(ごず) 「うーん、これだけ多いと裁判するほうも大変だろうな。」 さて、中に入るとちょうど、閻魔は裁判の真っ最中であった。 中央にものすごく迫力のある大男が貫録たっぷりにすわっていた。 閻魔である。 とにかく目力 (めじから)がすごい。 閻魔大王の眼は、 太陽のように眩しく迫力があった。 さらに声も その声は、幾千もの雷が 鳴り響くような恐ろしい声だ。 亡者たちはひとりひとり、閻魔の前に鬼によってつれていかれる。 たいがいの死者は、 閻魔大王に会うなり その恐ろしい姿に、気を失う。しかし鬼が水をかけたり、顔を叩いたりして 正気にもどすのだ。 閻魔大王は、閻魔帳を開き 幾千ものカミナリが同時に鳴るような 恐ろしい声で死者の罪を、読み上げていった。 閻魔大王の両脇に居るのが「人頭杖」と呼ばれる生首。 赤い首は悪事を見通し、白い首は善心を見極める。また、悪事が多いと赤い首は火を吐いて怒っていた。 さらに閻魔には「司命」(しみょう)という補佐官がいる。彼は死者の行いを徹底的に明らかにするのが主な役目だ。 そして 罪を記録するのが任務の「司録」(しろく)という、記録係もいる。
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