雪月花

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雪塵踊り舞うこの地で 赤く染まった空の下 音もなく降り積もる雪が 枯れ落ちた葉をも隠す 貴方の足跡が彼方へと続いていく ふわり、ふわり舞い落ちる雪が 肌に触れては溶けて消える この気持ちを吐露した事で 何が変わるというのか 不安や曖昧、そんな感情など 遠ざかる君、ツメ跡を残して 照りつく月明かりが艶やかに 私を黒く塗りつぶす どろどろとした感情を掬い取って 気だるいを心を毟り取って 私の足跡が果てへと戻って行く じわり、じわり溶けゆく雪が 髪に触れては滴り濡らす 頭に張り付く花弁が この記憶を朱に染めるの 沈黙の祈りに何が出来るというの 砕けてゆく私、この手を握りしめて
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