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絆創膏をカットバンという。 中指より人差し指の方が長い。 九九の七の段がスラスラいえない。 雨を極端に嫌い霧雨ぐらいでも傘を差すけど、土砂降りの日は逆に濡れたくなって傘を差さない。 みちるちゃんと出会って、みちるちゃんのことを色々知って驚いたことは他にもたくさんあるけど、あの日の驚きに勝るものは今のところないし、これからも起こらないんじゃないかと思う。 「今から家に行ってもいいかな」 あの日、そう、僕が棚木に誘われて行ったライブで醜態を晒した帰り道、みちるちゃんはそういって僕の腕を掴んだのだった。 棚木を殴り倒したあと、居たたまれなくなった僕はすぐに会場を後にした。オレンジ色の街灯に照らされた駅まで夜道を、10円玉ぐらいまで狭まった視野で黙々と歩いていたから、みちるちゃんがついてきているなんてまったく気づかなかった。 「え、二曲目は?」 あまりに驚き過ぎた僕は、問いに対する回答より先に、みちるちゃんが最初の挨拶で曲を二曲用意しているといっていたことを思い出し、そっちの心配が口をついた。 「そこ、今気にするとこ? どんだけお人好しだよ!」     
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