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「いよいよ来ますね…寒波」
彩香がつぶやくと、野本は彩香を振り返る。
「俺からしてみれば今でも充分寒いんだけど、これ以上寒くなるの?」
「そうですねぇ…普段はストーブのある所にいるので、外の気温ってあんまりよく分かんないんですよね」
初めて北海道で冬を越す野本にとって、この冬は特別なものになる。
ただ寒いだけではなく、ホワイトアウトで1メートル先が見えない程の吹雪になるのだ。
車を運転する者も歩行者も命がけ。
それでも学校や仕事は簡単に休めない。
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