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人は慣れる生き物だ。
当たり前に緊迫した毎日を過ごす野本にとって、穏やかな時間には親しみが無い。
「今、電話が掛かってきたら、きっと安心できるかもしれないですね」
彩香が意地悪な事を言うと、野本は不満げな表情を見せながらも、頬に口付けてきた。
「そういうこと言ってると、ホントに事件が起きるから……」
「事件とは言ってないですよ?ほら…翔くんから電話とか」
そう言うのが早いか、野本の電話が鳴り出す。
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