転移前

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あの頃俺はやさぐれていた。 と言っても、前科(まえ)があるわけじゃない。親に反抗していただけだ。自分では、そ れで満足していて、心の中の『イガイガ』はなくなっていた。 今日の朝も、家のばばあを喧嘩して出てきた。ばばあが朝ごはんくってけとかうぜーこと 言ってきた。なんなんだよ、あのばばあ。 俺はクラスの中じゃあ、カースト制度の一番上位にいるから、みんなには人気者だ。 もちろん俺に好意を持っていない者もいた。もっぱらほかのクラスの奴だがな。 今日も恨まれている奴らからの熱烈なラブレター(果たし状)をもらった。 放課後指定されたところへ行くと、なんと十人もいた。一人相手に十人がかりとか卑怯 じゃね。 「おいお前ら、何の用だ。」 「何の用だって?わかってんだろ。」 「さあな、俺は何一つ知らねーとここに来たら、野ネズミどもが集まっていたんだが。」 「ミッ●ーマ●スだと。おれはネズミは嫌いなんだよ。」 「●ッキー●ウスなんて言ってねーよ。早くかかってきなよ。それとも……怖いの?ww」 「うるせえ、おまえらやってやれ。」 と思うように話が進んだんでもうちっと挑発するか。 「こんな弱いやつらどうってことねーよ。;お前がかかって来いよ。弱・虫・さ・ん」 「「「誰が弱いやつらだー。」」」って聞こえたがその声は無視しよう。俺の挑発は成功 したようで、相手の親玉は(たこ)のように真っ赤になった。 「そこまで言うんだったらやってやるよ。鳴いて(わめ)くなよ。」 と言ってところで体勢を低くし、むやみに突っ込んでくる。 それを俺は、ひらりとよけ親玉の背中をける。すると『ズザザー』と聞こえそうなほど派 手にぶっころんだ。そこで、 「おいお前ら、いったん戻るぞ。」 と言ったから、今日のところは見逃してやろう。あっそうだ、この言葉を言ってやろう、 「さらばだ、負け犬どもが。」 おっと高笑いするのを忘れていた。まっいっか(テヘペロ(*ノωノ)) その日の夕方、俺は電車通学だから、電車を待っているとアナウンスが聞こえた。 電車がホームに滑り込んでくる。 ドンッ 『キャー、誰か落ちたわ』 プワァーン……キキ―― 背中を押されたことを認識したのは警笛が鳴らされた後だった。 『あっ、俺これ死んだな』
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