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店で暖かいお茶と、サンドイッチを買った。まずは体の中から温めないとどうしようもない。ペットボトルのお茶を握りしめ、暖房効いた室内で私は一息ついた。
この世に暖房なるものがあってよかった・・・このままでは凍死してしまうんじゃないかというくらい今日は寒くて、おまけに海側なので風あたりも強い。こんな天候の中、水着のような衣装で笑顔を絶やさない女の子たちは本当に凄いと思う。
私は今日、うまく笑えていなかったのだろうか。寒くて辛そうな顔をしているモデルを撮りたいと思うカメラマンさんは居ないだろう。それともやはり、自分の顔面のレベルが追いついてないのだろうか。
正直、大学時代に男性に声をかけられたことも多く、自分でも顔は普通より可愛いほうなのだと意識していた。やはり、加齢?私は27歳、コスプレをする年齢としては限界なのだろうか。しかし、同い年で活躍しているコスプレイヤーさんたちも多数存在する。
私も、注目される存在としてこの界隈にまだ居てもいいはずなのだが、如何せん集客事情が芳しくない。美容に衣装にお金と時間を賭けた分、今のこの惨状は正直がっかりだ。何度も見たはずの鏡をぼんやりと眺める。
やはり生気の無い顔。
衣装に着替えた後は「私は誰よりもカワイイ!!」と暗示をかけていたのに。その意気込みを今は微塵も感じられない。やはり泣きそうになった。どうして私はいつもこんなに不器用なんだろう・・。
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