4話

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 結局、晴斗は余韻に浸りながら土曜日を過ごしていた。愁にまた抱かれたいという不純な目的の為に、日曜日は一日中バイトに勤しんだのだった。 晴斗のバイト先は、街中にある猫カフェだった。幼い頃から晴斗は動物が好きで、その中でも一番好きな動物は猫だった。気まぐれな性格だけれども、時々、擦り寄って甘えてくる姿にとても癒される。  猫カフェのバイトは、猫スタッフである猫達のお世話をするよりも、猫カフェの宣伝をする事が多く、外に出てのチラシ配りをするのが一番大変だった。他の人よりも大人しい性格をしている晴斗は、最初の頃は緊張してしまい、積極的に宣伝できなかった。それでも、チラシ配りが終えた後は、大好きな猫に触れあいながら仕事ができる。幸いにも、猫カフェに訪れる客に、変に絡まれたことがない。そんな晴斗にとっては、猫カフェと言うのは最高の職場に思えた。晴斗は猫スタッフ達にご飯をあげたり、訪れた客に猫スタッフ達の触り方をレクチャーしたり、世間話をしたりしていた。
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