7話

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 けれど、愁と何度も出会っては、何度も金を払っては、何度も抱いてもらう歪な関係をしていると晴斗は一人、溜息を吐いた。もしも、別の所で出会っていたならば、例えば、大学や仕事場で出会っていたならば、良い友人関係になっていたかもしれない。そんな考えが晴斗の頭を過っていた。  ふと、晴斗は愁の方を盗み見る。どこか疲れている様子の愁の姿が目に入った。時折、目を擦っている仕草が見えた。愁が普段はどんな仕事をしているか等といった個人情報は詳しく知らない(教えてくれないだろう)から、晴斗はしばらく考え込んでから、良いアイデアが思い浮かんだ。今夜、ホテルに向かったらそれを実行しようと考えたのだった。
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