9話*

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 晴斗の頭は段々と理解が追い付いてきて、じわじわと身体の熱が篭るのを感じる。愁が自分と同じ思いを抱いていた事が嬉しくて、身体が歓喜に震える。そうして、晴斗は愁の瞳を、見つめ返しながら言葉にした。 「お金じゃなくて……あなたが、ほしいです。愁さんを俺にくれたら、俺は愁さんのものになります」  晴斗の言葉に愁が目を見開いたのを見逃さずに、晴斗は今まで抱いてきた思いを言葉にして伝えた。 「好きです……っ、愁さんのこと、俺は好きです……っ」  一度、言葉に出してしまうと、愁に対して好きだという気持ちが強く膨れ上がっていく。晴斗は止めることが出来ずに「好きです」と愁に対して言い続けていた。そうして、愁は晴斗の言葉を受け入れる様にして、晴斗の柔らかい唇に深く口付けた。最初に愁に口付けをされた時よりも、とても甘美なものに晴斗は感じて目を瞑り受け入れた。  きらきらと煌めく星空の下、二人は愛を結ぶ。
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