10話

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10話

 お互いに想いを告げあった夜、愁と晴斗は正式にお付き合いをする事になった。所謂「恋人」という関係性になった事が、とても嬉しくて、どこか照れくさかった。恋人だからと言う事で、愁から合鍵を渡された時は、晴斗は驚きに目を見開いた。 「合鍵を渡すから、好きな時に俺の家に来てもいいぞ」 「いいんですか……?こんな大事なものを」 「大事なものだからこそ、晴斗に渡すんだ」 「ありがとうございます、愁さん」  愁の言葉が嬉しくて、晴斗は花の咲く様な笑顔を浮かべてお礼を告げた。愁の家の合鍵は、今ではとても大事なものとして、晴斗は大切に持ち続けている。  しばらくしてから愁に連れられて、『ナイトムーン』にも顔を出した。愁と晴斗が正式お付き合いすることになった事を、マスターと洋平と富之に報告をした。皆が一様に「おめでとう」と祝福の言葉を掛けてくれるのだった。祝福してくれる人達がいるのは、とても嬉しい事だ。その日は、『ナイトムーン』を貸し切って、お祝いのパーティーが開かれた。マスターがオリジナルのカクテルを作ってグラスに注いでくれたり、洋平が酒の肴を手作りしたりしてくれた。大いに盛り上がり、楽しい夜を過ごしたのだった。  それから、バイトで金を稼いでは『ナイトムーン』へ遊びに行っては、洋平と富之を交えて4人で、世間話に花を咲かせるのだった。そして、洋平と富之も正式に恋人としてお付き合いする事になったと報告されるのは、しばらく経ってからのことだった。マスターも愁も晴斗も同じ様に「おめでとう」と祝福の言葉を掛けるのだった。富之にも恋人が出来て良かったと、晴斗は心の底から思うのだった。  洋平がせっかくなら、4人で何処か遊びに行こうと提案すると、愁がそれもいいなと肯定してくれたので、4人で何処か遊びに行く事が決まったのだった。海へ行くのもいいし、山へ行くのもいいし、温泉に行くのもいい。洋平と愁があれこれと、様々な旅行のプランを立ててくれるので、晴斗と富之は嬉しそうに笑い合い、その日を楽しみにするのだった。
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