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その時、どこからかショパンの『ノクターン第二番』が聴こえてきた。音に耳を傾けて音源を探して歩き、路地裏に入る。
カフェ『ピアノ・セニョリータ』という店が音源だと気付き、扉を開く。
「いらっしゃいませ。こちらのお席にどうぞ。」
「ありがとうございます。」
「お飲み物はどうしますか?」
ウェイトレスの彼女がメニューを差し出してきたので受け取り、メニューを開く。
「カプチーノで。」
「かしこまりました。」
待っている間、鞄の中から『緋色の研究』という小説を取り出して読む。
10分ほど待っていると飲み物が運ばれてきた。
「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ。
ところで、恋愛相談をしたいのではないですか、お客様?」
「???どういう事だ?」
「やっぱりそうみたいだね、月哉の予想通りだ。」
「どういう事ですか?」
「お客様、お名前は?」
「夏宮 颯…です。」
「夏宮さん、恋してますよね?」
少し考えて、こう反す。
「…え?ところで、貴女の名前は…?」
「あぁ、佐藤 美夜(さとう みや)です。」
「ん、美夜ちゃんね。ところで、恋愛相談を俺がしたいと思ってるって分かったのはどうして?」
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