第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

55/75

56人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
―22― 熱い紅茶を飲みながら 「気になる話だな」  翌日、曜子の了承を経ていたペンダントの話を所長にした。  時間は決めず早朝に地下で自主トレしていて暫くしたら所長が起きてきて訓練してもらう流れが毎朝続いている。今朝も出勤前に訓練をしてシャワーを浴びて清々しく出勤した九時前の事務所内。入社してから引越しも無事完了して事務所の三階に住ませてもらっている。 「ありがとうございます」  出勤したらなんとなく梓さんが紅茶を淹れてくれるのが日常になっている。今朝も美人というか梓さんは可愛い妹のようなお姉さんって感じだ。 「あちちちちち」 「所長のは熱めに沸騰させてますので気を付けてください」 「何故!?」 「昨日、帰り掛けに私のお尻撫でましたよね?」 「これくらいの熱さが美味しいなぁ、ハハ」  所長は懲りずにまたやらかしていたみたいだ。  ペンダントの話は訓練の時にはせず、出勤して紅茶を飲みながら梓さんと三人の時に話をした。あくまで仕事の話なので出勤前はなんとなく控えた方が所長にも良いかなと思ったからだ。 「しかし、女子高生と旅行かよ」 「いえ、その話は来週のテストの結果次第ですけどなんとか誤魔化していますよ」     
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加