第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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「それだよ。そうやって頭ごなしに怒り狂うからバイトもクビになるんだよ。少しは考えろ。そして感じろ。俺が悪いのか仕事は悪くないってな」 「うるせー!!」  駄目だこりゃ。単細胞待ったなしか?言ってる傍から脳どころか耳の鼓膜にも俺の言葉が辿り着いていないんじゃないかと思う程、話にならん。 「だいたい六回連続でクビも凄いが、六回はバイトの面接で受かってるんだろ?いいじゃねぇか。俺なんかニートが長くてバイトの面接も六回と言わない位連続で落ちてるぜ。採用されるだけマシじゃねーか」 「なんだお前、ニートかよ」 「ぎゃはははははははは」  もの凄く笑われた。こんな奴らにもの凄く笑われた。随分下に見られたってことだな。これ、ニート絶賛続行中だったら振り向きダッシュで家の布団にまっしぐら状態だな。良かった就職してて。まだ研修期間だけど。 「おいニート!バイトに受かるコツでも教えてやろうか?土下座して教えてくださいって言え。ホラ言えよ」 「すまんが生憎ニートは卒業したんでね」  ホントこいつらみたいなバカな悪さをしてる奴らって本物のバカなんだな。会話にもなりゃしない。 「そりゃ残念だ。だったら俺達に喧嘩売るとどうなるかって言うのを身体に教えてやるよ!!」     
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