第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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 まぁそうなるな。暴力でしか自分の立場の優位性を表現できないのだから。その暴力でも社会に出たら下位中の下位だということを知るのはまだまだ先のようだが。 そんな俺も余裕こいたこと言ってるが、結局このブラックソードがなかったら只の凡人だからな。多少は所長に鍛えてもらっているけど、結局はブラックソードで“W”を出せばその人間は真面目人間になるから襲ってこないという安心感があるからな。その分、“W”と戦わないといけないが、今のところ順調に退治できてるし言葉を交わさないという点では、悪事を働く人間の方が対処に困るのが本音だ。しかも狂暴になったら特にだ。 さてと、とブラックソードを取り出したところで後ろから罵声を浴びた拍子にブラックソードを下に落としてしまった。 「どうしたどうしたどうしたんだー!?あー!?」 「おー、トシオ達!!遅いぞ!」  ありゃりゃ、こんなところで待ち合わせですか。どうせろくな奴らじゃないバイト連続クビ仲間でしょうに。まとめて真面目人間にしてあげましょうぞい。と思いながら俺は落ちたブラックソードを拾おうとしたら、どこから現れたか野良犬が加えて去って行ってしまった。 「ヤバイヤバイヤバイしゃれにならん」  慌てて犬を追いかけようとした瞬間、バイト連続クビ野郎にシャツの首を掴まれた。連続クビ野郎だけに。     
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