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「いや、梓さんは俺が言ってないの知ってるじゃないですか」
未だに獣を見るような眼差しを止めない梓さんを見て笑っている所長。勘弁してくれー。二人は俺が常日頃から勘違いされて変態呼ばわりされているのを知らないから呑気にしてられるが冗談が冗談で通じなくなりますよ。
「そんなに私の事言ってるのですか?」
「そりゃもう毎日曜子ちゃんの事ばかりだよ。今日はいい匂いがしたとか今日は唇がぷるんぷるんとか今日は胸が揺れていたとか」
「変態だなお前」
「言ってないじゃないですか!そんなこと言う奴なんていないでしょ!いたらホントに変態ですよ!」
所長と梓さんは悪ノリが過ぎている。曜子もやっと二人の悪ノリであることに感づいたようで笑っている。誤解が解けているなら良しとしよう。
二人も一緒に笑っている時に入り口から一人の男性が事務所に入ってきた。
その男性は背が高く色白で髪が真っ白で背中まで伸びたロンゲだったが、男の俺でもイケメンと思うほどの美形だった。外国人っぽいけどもしかしたらハーフだろうか。その男性は事務所に躊躇なく入ってきて梓さんの傍へすかさず寄って行った。
「おぉ水沢ちゃんは今日も一段と美しいねぇ」
と言いながら梓さんの髪を撫でていた。
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