第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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「大切に扱うよ。そうそれはまるで生まれたての赤ん坊のように、大人の階段を上る初めての夜のように、言葉では拒否するも身体が許してしまう本能の・・・」 「()めろ。処女と童貞には刺激が強すぎる」  フゴッ!と悲鳴を吐き出しながら梓さんの特殊武器で豚平(ぶたひら)さんの顔面はソファの裏にまで届くかのように仰け反っていた。 「フッ。水沢ちゃんは相変わらず顔に似合わず手が早い。君が夜に別人になる・・・いや僕が別人にさせてみたい、魅力が収まりきれていないその身体を濃縮された僕の・・・」  フゴゴッ!!再び特殊武器で顔面を強打された豚平(ぶたひら)さんはその後なんども強打されて鼻血が止まらなくなって洗面所に走って行った。少し涙目だった。 「いいのか?ペンダント」 「うーん、ちょっと無いと不安だけどウタルのお仕事に協力できるなら暫く我慢するよ」 「良い子だねぇ曜子ちゃんは」 「それより無くさないでくださいね。ちゃんと返してくれるんですか?豚平(ぶたひら)さんは大丈夫なんですか?」 「豚平(とんぺい)なら大丈夫。俺が保証するよ」  所長は随分豚平(ぶたひら)さんのことを信用しているよだった。 「それより今度直島に旅行に行くって聞いたんだけどそっちの方が心配で、保護者として俺も参加して三人で同じ部屋に泊まろうかと思っているんだが」 「所長ー・・・」     
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