第三章 嘘の幸せと真実の絶望と

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―26― 梓の謎 「それは残念だったな」  翌日の土曜日に事務所内でいつもの三人で昨日出番がなかった甘いもの達を食べながら、梓さんの淹れてくれた紅茶を飲みながらくつろいでいる。  土曜日は基本的に休日なのだが自由に出勤しているのが現状だ。 「ブラック企業ですかね」 「最近はすぐにブラックだ働き方改革だと言ってるが企業と労働者は持ちつ持たれつでいいと思うのだがな。まぁ俺は固定給だし休みが多くてもすることないし、嫌々出勤してるわけではないからな。しかし国はこれらを纏めて取り締まろうとするから困るんだ。」 「確かに違反してる企業も多いでしょうし、言えない労働者も多いだろうな」  その辺の所はわりかし緩いのがからし屋マタジの良いところだろうか。土日にからしの配達注文は殆どないので"W”対策に時間を費やせれる。 「しかしそのクラスも以上な位ハイレベルだな」 「そうなんです。実際頑張って点数取ったので本当に残念でした」 「残念なのは旅行のことか?」 「ち、違いますよ」  慌てて俺は否定したが本当のとことはどうだったのか自分でもわからなかった。     
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