第三章 嘘の幸せと真実の絶望と

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 ハメられた。またこの二人の悪ノリにハメられた。俺はその悪ノリに反応した部分が事実なことに顔を赤らめ頭を両手でくしゃくしゃにしながら顔を(うず)めた。 「どこから嘘なんですか!?」 「全部嘘よ」  梓さんの言う全部が彼氏がいる所からなのか彼氏が変態という所からなのか気になったが、この話題からは一刻も早く離れて欲しかったので問いただすことを止めた。だからか俺の部分も落ち着きを取り戻してきた。 「ウタル、これを見ろ」  所長が見せてくれたスマホの画像は露出高めのコスプレイヤーだったが、その女性が梓さんだと言うことに気付くのに幾ばかの時間を有した。 「俺が会場に行ったから梓ちゃんサービスしてくれたんだぞ」 「すっぽんぽんよりエロい、見えそうで見えないチラリズムですね!」  この画像にまた反応してしまったのは言うまでもない。 「こっちの写真が綾女川雅(あやめがわみやび)ちゃんと西園寺要(さいおんじかなめ)ちゃん。後ろに勝手に写っているのが豚平(とんぺい)な」 「なんでマタジの従業員はコスプレイヤーが多いんですか!?しかもSランク級が揃って」 「だろ?本部にはこれより凄いのも居るんだぞ?俺が本部でセクハラするのも頷けるだろ?」 「いや、セクハラは駄目っすよ。梓さんにもですよ」 「どうだウタル?スゲーだろ?」 「皆さんめちゃ綺麗です」     
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