第三章 嘘の幸せと真実の絶望と

15/72
前へ
/217ページ
次へ
 家庭教師としての関係で自然と話すことになったが年齢を超えて立場的には対等であると感じている。頻繁に変態呼ばわりされていても腹立たないのはそういった立場的な立ち位置があるからなのかもしれない。  しかし一人の女性として好きとか感情じゃなく守りたいって感情の方が優先だろうか。  仮に曜子に好きな人や彼氏が出来たら応援するが、駄目な男に引っかかってないか心配はしてしまう。  愛情よりも親心の方が強くなってしまう感じか。  ・・・けど、時折見せる曜子の笑顔や真剣な時に見せる顔が可愛いって思っている自分がいるのも事実なんだよな。一緒に居て楽というか気を使わないし元々賢い()だから話のテンポやリズムも合うし。  けど、それは曜子の個性であって俺だけじゃなく誰にでも良い子って思われるってことなのだろうか。こういうのを競争率が高いって言うのかな?いや、わからなくなってきた。これじゃまるで俺が曜子を好きな感じじゃないか。 「煮え切らないのね」 「そ、そうですかね」  心の中を見透かされたようで慌てた。しかし実際自分が高校生の時は高校生同士が付き合っても何も変と思わなかったが、大学生や社会人が女子高生に”好き”とか”付き合いたい”とか女子高生に恋愛感情を持ち独占するのには抵抗があるな。     
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加