第三章 嘘の幸せと真実の絶望と

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―27― 鳴らない電話  週が明けての月曜日は、からしの注文が溜まっていてわりかし時間が経つのを早く感じる。それでも一般の宅配業者や配送業者に比べると全然対したことではないだろうというのはなんとなくわかる。  始業から終業まで激務だったらメインの“W”退治に影響がでるからだろう。かと言ってからしの業務も手を抜いて良いものではないので真面目にこなしている。  世間のいわゆるニートと言われている人々に最初から激務を与えるのが間違いなのだと感じる。  社会人からすればその考えは甘いと言われるかもしれないが、誰でも最初は初心者で未経験者なのだ。  慣れて身体が業務を覚えてきて人間は進歩するのではないだろうか。  いきなり八時間ではなく四時間から始めて行けば、身体も慣れるし会社も教える事が段々とステップアップしていけるので助かるのではないか。  働くことで得る収入に喜びを感じていけば自分自身の将来を考えていくのが自然だろう。     
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