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特に二人の目が、爬虫類系のような冷たく、常に警戒心を持って臨戦態勢を整えているような感じだった。この状況だからそう思ったのかもしれない。
殺す殺さないって発言が、脅しなのか本気で殺しにくるのかはわからなかったが、俺はさっきの強力な“W”に殺されそうになったのを思い出した。
仮にさっきの“W”が喋れたとしたらと考えると、殺す殺さないって言ってきただろう。
だとしたらコイツらは人型の“W”ってことか、もしくは“W”に関係ある奴等か、どちらにしても味方ではないってことは間違いなさそうだ。
「う、うぅ……」
どうやら倒れていた麻薬組織の連中も段々と意識を取り戻してきたようだ。
「大勢が捕まったとあっちゃ、やりにくくなるんでねぇ。ダンパー!」
「へっへっへー」
巨漢の方が笑いながら両手をだらーんとノーガード戦法のような体勢にしたかと思うと次の瞬間、電気ショックを与えたかのように大きくビクつき、一回り大きくなった。
それが三度繰り返し終わるころには更に大きくなり、しかも首から上の部分が竜のようになっていた。
天井に向かって雄たけびをあげる名はダンパーと呼ばれていた巨漢の男、今度は両手がスルスルと伸びて地面に広がる。
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