最終章 智慧

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 まるでこの世に生を受けるのが当たり前のように生きていく。  人がこの世に誕生するのは決して容易ではないのだが、人々は当たり前のように生き、そして愛し喜びを得て、時には憎しみ合い哀しむことも。  ただひとつ、当たり前の事が全ての人々に平等にあるのが、最後に死ぬということだろう。  長いか短いかではない、精一杯生きてきたかということが大切なのではないだろうか。  人が人の人生を評価するものではない、自分自身が評価するものなのだ。  俺は精一杯生きてきているのだろうか?  ニートを卒業して一年が過ぎ、人としても成長をこれからも続けて行かなければならない。  曜子と出会い、生きることの大切さと、当たり前ではないという現実を教えてもらった。  あの夏、曜子と行った異世界は果たして現実の異世界だったのだろうか?この世にある本当に異世界に転生したのだろうか?今思い返しても長い夢だったのではないかとさえ思ってしまう。  確かに今では証明することはできないが、確実に俺達二人はあの異世界で何度も生死の間を乗り越えてきた。  曜子の御先祖が託してくれていたペンダントと鏡は、ずっと昔から子孫である曜子を見守ってくれていた。     
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