第一章 夢から覚めたら

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 ―5―   キング・オブ・ニート   「さて本題です。からし屋なのでからしの本当に配達がある。アルパカ営業所は範囲は広いけど顧客数はそんなに多い方ではないからゆっくり配達してたら終わるから」  なんと言えば良いのか、予想してた通りの仕事で。 「商品はからしだけなのですか?ついでにわさびとか」 「ない。からし一筋。わさびは特にライバルだと思って負けないように」 「はぁ」  ライバル店にわさび屋さんがあるのだろうか?からしとわさびは用途が違うから需要が違うような気もするが。 「私、ニートの見る目には自信があるんです」  梓さんはマグカップをテーブルに置いた。まだ飲んでいたのか。  眼鏡をクイッと少し上げて見下ろす目線でドヤ顔してるのだと思うが、眼鏡が曇ってて間抜けな梓さん。  しかも言ってることはニートの選別に自信があるって、世の役に立つようなことでないですよね。 「確かに僕は働くつもりだったし生活費も自分の貯金使ってましたから、キング・オブ・ニートにはほど遠いニートでしたが」  キング・オブ・ニートってなんだ?拳かハートが燃えているのか? 「不潔、不衛生は嫌いです」  お風呂は毎日入ってました。歯磨きも欠かさず。     
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