第一章 夢から覚めたら

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―10― 戦闘開始  俺達三人は駅前に出てきた。  まばらに人は歩いているが、この中から練習になる人を探さなければならない。  人は誰しも悪い心を持っているものだ。  欲望と悪の心を一緒にはできないが欲望を抑えきれなければ悪の心になったり罪を犯す可能性もある。  欲を持つことは決して悪いことではない。寧ろ無欲より欲がある方が生きている実感が湧いてくる。  大学を辞めて無気力になった時に、奨学金を返さないといけない気持ちと、脱力感に挟まれだんだん自分が嫌になって。  借金を返す為だけに働く。欲しいものも我慢して。物欲を抑えて働く。  物欲を抑えきれなければ無計画に買って返済が滞り、強盗や詐欺などの罪を犯す人もいるだろう。  無欲になれば借金返済のみ に集中できるのかと言われれば、無欲で働くことは希望のない未来に託しているようなもので持続することが困難だろう。  真面目に働いて借金返した後のことが考えられない。ただ生きていく為に働いていいるだけで住む所と食べる物の為だけに働く。想像するだけで明るい未来ではない。  その自分の未来予想図に絶望してニートになってしまったが誰の責任でもない、自分の責任だろう。     
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