第一章 夢から覚めたら

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 逃げたら実習にならないんだよと言いたかったが構ってる余裕はなかった。  正面から切り付けようとしたが後ろに振り向いた“W”だったが次の瞬間尻尾が襲い掛かってきた。  先程のパターンがあったので側面にも注意していたので尻尾を武器で塞ぐ形で切り落とすことができた。  最初に龍をイメージさせたが手が生え良く見ると足も生えてコモドドラゴンのような形になっていた。巨大なコモドドラゴン。 「なにあれ、大人のコモドドラゴン。オトナドラゴンじゃん」 「いやコモドドラゴンも大人だし、子供みたいだけどコモドって名前だから」  コモドドラゴンに見えるイメージはこの女子高生とリンクしていたみたいだ。 「ってかお前、“W”が見えてんの?」 「あーーー、初対面の女子高生に向かってお前とか言う?」 「じゃあ名前は?」 「エメラルダ。太田エメラルダって言うの」 「よしエメラルダ、お前あれが見えるのか?」 「まーたお前って呼ぶし、名前もエメラルダなわけないじゃん。冗談に決まってるでしょ」  女子高生は俺の後ろに隠れてクスクス笑っている。 「この状況で冗談言うか?」 「曜子よ、太田曜子。普通の名前でしょ?」 「名前に普通も普通じゃないも無いよ。」 「おじさんの名前は?」 「おじさんじゃないけど、ウタル、月野ウタルだ」     
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